「セ・キ・二・ン・ト・レ・ヨ」
で一躍有名になったホラー映画『トリハダ劇場版』のあらすじネタバレ記事について書きました。
墓から蘇ったゾンビはでないけれど、狂気に満ちた人間の姿は観られる。
TVから出てくる貞子は出ないけど、すさまじい執念を持った女は観られる。
呪いの人形はでないけれど、あなたの身に起きるのは明日かもしれないストーリーは観られる。
この世で一番怖いのは女かもしれないとつくづく思ってしまう作品となっております。
(男性視点ですが笑)
もくじ
トリハダ劇場版のあらすじ
主人公のひかりは家電のコールセンターでクレーム受付係の仕事をするOL。
クレーム客の電話応対をこなす一方で、会社の上司健二と同じ職場で体の関係(不倫)を持つ。
ひかりの住むマンションで健二とからの関係に溺れる暮らしをしていた。
ある朝彼女が出社する前、ふと部屋の窓ガラスに目をやると、窓の外側にべっとりと人の手垢の跡があることを発見する。

ストーカー被害に合っていることに気づいた彼女日常生活には、不穏な空気が立ち込み始める。
コールセンターの仕事もはハードなもの。
お客からの理不尽なクレームの電話は日常茶飯事。
若手受付係のクレーム処理をするのも彼女の仕事で、面倒ごとな仕事を請け負うことはひかりの役目だった。
中でも特に悪質な中年女性の顧客である宮脇沙世の電話応対は熾烈そのもの。
質の悪い大阪のおばさんを思い起こさせる彼女の口調は女とは思えないほど荒々しく聞く耳に堪えない。
「頭大丈夫?バカ?」
「なんだよ、どれだけ待たせんの?」
「耳あるの?病気か?お前?」
「個々の会社の人間はクソね。死んだ方がいいんじゃないの?」
「謝って済むと思ってるの?」
「『私がバカです。」って言えよ!オラぁ!」
「生きてる価値ないんだよぉ!」
と罵詈雑言を容赦なく投げつけてくることもしばしば。
人権侵害な言葉を使うことも当たり前というスタンス。
職場ではクレームの嵐。
家に帰るとストーカー被害。
不倫相手である健二との関係にも疲れていた彼女はある日、自分の住むマンションの隣人の表札に「宮脇沙世」の名前が書かれていることを目にする。
宮脇沙世の裏と表
誰しも表の顔と裏の素顔は持っているもの。
それは宮脇沙世にもある。
ただ違う点が1つあるとすれば、彼女は恐ろしく狂気に満ちているということ。
表向きは善良そうな振る舞いを見せ、ご近所付き合いが好きな小太りで中年のおばさん。
裏ではコールセンターに嫌がらせの電話をかける常習悪質クレーマー。
優しく笑顔で「あんた最近大丈夫?元気ないわよ?」とひかりに声をかけてくれる隣人・宮脇沙世。
「お互い一人暮らしなんだし、何かあったら声かけあいましょうね(笑)」
と人間味のある隣のおばさん。
しかし一見いい人に見えるこのおばさんこそ、仕事でひかりを苦しめている張本人。
電話口で聞きなれたその声からひかるは確信。
この優しそうなおばさんこそ、陰湿なクレーム電話をかけてくる宮脇に間違いない・・・と。
・・・そして何と驚くべきことに窓の手垢の犯人も隣人の宮脇沙世であったことが発覚。
またある日の宮脇からの嫌がらせのクレーム応対のとき。
過剰なクレームの嵐に我慢の限界を超えたひかるは
「ひとりぼっちで寂しいから、私どものダイヤルにかけてるだけなんじゃないですか?」
と反論をする。
この反論に対して宮脇沙世は
「お前ぇ、・・・毎晩喘ぎ後がうるせぇんだよぅ・・・。(ガチャ。)」
と衝撃の言葉を言い残し電話を切る。
この言葉の示す意味。
つまり、健二と自分のマンションで性行為をしているところを宮脇に見られていたということ。

ひかりの部屋の窓の外に付いていた手垢・・・。
隣のおばさん・宮脇沙世のものだったことがこの電話で発覚。
隣人の宮脇がクレーム電話の主であることは見破っていたひかり。
この電話のやり取りで、夜の営みの覗きをしている犯人が同一人物であったことも確信。
宮脇がコールセンターの宮脇=隣人のひかりと同一人物であると見破っていたかまでは分からないけど、可能性は高い。
さらにこのひかりの不幸に追い打ちをかけるように
「バレそう。金曜日は無理だな。」
と健二からメールが送られてくる。
最愛の彼と思っていた男に遊ばれていただけなのだと知るひかり。
仕事でもプライベートでも光を失ってしまったひかりは精神的に堕ちてしまう。
トリハダ劇場版のネタバレ
(以下ネタバレ)
- 精神的に病んでしまったひかりは狂気に落ちる
- 隣人の宮脇沙世を殺害
- 不倫相手健二を殺害
コールセンターの主任を務める健二は、同職場ひかりと不倫関係。
毎週金曜日にひかりのマンションで肉体関係を持っていた。
夫の浮気を怪しむ真貴子は毎朝のように夫に対して
「浮気したら殺すから」
と忠告をする恐妻。
ある朝、コールセンタ―主任を務める健二の妻・真貴子の元に1本の電話がかかってくる。
かけてきた相手は、保険の電話セールスを匂わせる奇妙な女性。
「セールスはいらない」という真貴子に対して、電話の主の女性はこう答える。
「いえいえ、セールスではないですよ。奥様のライフスタイルカウンセリングのご提案です。」
と電話応対に慣れた口調で淡々と語る。
1歩も引く気配を見せないセールスマンを思わせる電話の女性。
電話を切るに切れない真貴子。
流されるままに話を聞く。
するとスピーカーから驚くべき言葉が発せられる。
「月曜日の夕方まで勤務後、あなたのご主人様は亡くなられるということでよろしいでしょうか?」
自分の夫の死亡希望するかしないかのオプション(選択)をかけられた真貴子。
「ご主人様は生命保険に加入されていますよね?1億円の・・・。」
「奥様にとっても悪い提案ではないのではないでしょうか?(健二が死ぬことは)」
「いつも朝ご主人に言ってるじゃありませんか。」
浮気したら殺す・・と。
つまりこの電話の女性が言わんとしていることは
- 旦那さん(健二)に死んでほしくありませんか?
- もし旦那さん(健二)が死ねば保険金1億円が手に入りますよ
- 有意義なご提案でしょ?
ということ。
保険金1億という言葉を聞いた真貴子は、先ほどまでの電話を拒んでいた姿勢を一変。
「お願いします・・・。」(夫の殺害を)
と言い、電話の取引は終了。
この電話の女性の正体はひかり。
自分の住むマンションの隣人女性からの悪質なクレームと愛していた男性からの裏切りにより、心を闇に落としてしまったひかり。
彼女はこの電話の後、殺人を犯すという一線を超える。

会社を休んでいるひかりから、自宅マンションに呼び出された健二。
部屋の様子の異常事態に驚いた健二。
物はあちこちに散乱し、誰かが暴れまわった後のように荒れ果て、人の気配はゼロ。
ゆっくりとバスルームの中を覗いてみると、血まみれの浴槽の中に、宮脇の無残な死体があった。
慌てふためく健二の後ろから、すーっと現れたひかり。
ひかりは真っ赤な返り血をあびており、目は健二の方を向きながらも虚無を見つめている様子。
「どうしたらいい・・・?ねぇ、教えて・・・。」
と何かに憑りつかれたように質問をしながら、健二にフラフラと近づく。
そしてそのまま真貴子への電話の予告通り、不倫相手健二に死を与える。
その後生きる気力をなくしてしまったのか、ひかりは涙を流しながら自宅マンションの屋上に上り、飛び降り自殺をする。
・・・真貴子は夫が死んだというのに、上機嫌な様子で部屋の窓を開ける。
1億円近い入金(生命保険)がされた通帳の残高を見て、幸せそうな笑みを浮かべる。
トリハダ劇場版の作品紹介
2007年にフジテレビで深夜に放送されていたテレビドラマを映画化したもの。
劇場公開がされたのは2012年。
幽霊やゾンビなど非科学的なものは登場せず、人間のうちに秘めた狂気や恐ろしさにスポット当てて描くオムニバス形式のホラー。
オムニバスとは短編構成という意味で、同じ内容を2時間ぶっ通しで放映するのではなく、10分前後の短い短編を集めて映画化したものです。
『トリハダ劇場版』も1本の作品を6話から構成されており、コールセンター勤務のひかりの話を主軸に、交互に違う登場人物を主役にした話を展開していく流れです。
(全体的に女性を怖く描いた話が多い)
第一話「見えざるものの中にある真理」
自宅マンションと駅の間にあるトランクルームを借りていた由美子。
夜遅くトランクルームに荷物を置きに行くと、見知らぬ男が自分のトランクルームのシャッターを開けようとしていた・・・。
第二話「異常な愛情と執念の6日間」
宅配員として働く孝史。ある日不在表から電話してきた横田という女性の家に配達に行った。その日からこれまでに体験したことのない恐怖の6日間を味わうことに・・・。
第三話「好奇心から生まれる想像と漆黒」
夜のバスの前の席に座っている女子高生。彼氏と思しき男性との不可解なメールやり取りを覗き見てしまい・・・。
第四話「理想と現実の相違から訪れる闇」
彼氏と別れ、新居に引っ越したばかりの葉子。深く帽子をかぶった男ストーカーと思しき男が「シチューを作りすぎてしまいまして・・・。」とインターホンを鳴らす。
強い警戒心を抱きながらも部屋の鍵を開けてしまった葉子は・・・。
第五話「自身に降りかかった悪夢と結末の相違」
夕子の上着のポケットやマンションのポストにいつの間にか入れられている小さな紙きれ。丸められた紙を広げるとそこには「30」という数字が。毎日入れられる紙切れの数字は「6…5…3…2…」と徐々に小さくなっていく・・・。
第六話「誘惑の疑念の葛藤と脅迫」
夫の健二の浮気を疑う真貴子。毎朝のように「浮気したら殺すから」と言うものの、それ以上の詮索はしない。ある日、真貴子の元に保険のセールスマンを思わせる女性からの電話がかかってきて・・・。
映画トリハダを観た感想
この映画の感想を一言で表すとすれば、女は怖いということです。
このヒロインの女性可愛いなーと思って観てたら、ラストに鬼のような姿を晒したりと、とにかくギャップがすごい。
ヘタなB級ホラー映画を観るよりも、よっぽどゾッとする内容です。
ゾンビやオカルト系に飽きてしまった人は観てみるといい刺激になると思います。
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